マイナスドライバーはプラスドライバーに次いで工具セットに入っている基本工具の一つです。
しかし、プラスドライバーと違って、マイナスネジを回すために使うことはなかなかなく無頓着な人も多いのではと思います。
この記事ではそんなマイナスドライバーにスポットを当てて紹介していきます。
マイナスドライバーついてとその種類、用途に応じて使い分けることで効率アップ!
自動車整備の現場で実際どう使われているかなどの裏話も綴っていきますので参考になれば幸いです。

国産自動車ディーラーで整備士経験15年以上の経験と見解でお送り致します!
マイナスドライバーとは
マイナスドライバーとはマイナスネジを回すためのドライバーです。
マイナスネジとは、ネジの頭に一文字状の切り込みが入ったネジです。あまり知られていなのですが、プラスネジの様にマイナスネジにもサイズがあります。
刃幅と言ってマイナスドライバー先端の幅によってサイズが決まっています。
マイナスドライバーを選ぶ際は、マイナスネジの幅に合うマイナスドライバーを使うのが基本となります。
しかし、マイナスネジはほとんど使われていないのが現状です。
マイナスのネジがあってもそれは六角部分の真ん中に切り込みがあり、マイナスドライバーでも回せる用になっている補助的な役割としてのマイナスネジとなっています。
マイナスドライバーの選び方
次は購入の際にマイナスドライバーを選びのポイントは3つあります。
- メーカー
- サイズ
- 貫通or非貫通
それぞれ深ぼっていきましょう!
工具メーカー選びは名の通ったメーカーで
メーカーですが基本的に名の通ったメーカーのドライバーを選べば失敗はないと思っています。
KTC、TONE、ベッセル、アネックス、PB、WERAなど
もちろんSnap-onでもOK。最近はアストロプロダクツやストレートなどの安価なブランドでも年々品質は上がってきています。
では何に注意するのか?それは100円均一などの超格安品。もしくは格安工具セットに頭数合わせに入れた様なもの。この場合、やはり精度が心配になりますし、強度にも不安が残ります。
なので一定以上名の知れたメーカーがお勧め!私はベッセル、KTCを使っています!
必要サイズは大・中・小とスタビータイプを
必要なサイズはプラスドライバーのように大・中・小の3つのサイズがあれば作業で困る事は少なくなります。
サイズは分かりづらいのですが、刃幅と言ってマイナスドライバー先端の幅で表記されることが多い。
先ほどの大・中・小は刃幅でいうと5(物によっては5.5)、6、8mmとなります。
個人的にはシャンクの長さがプラスドライバーと揃うと統一感もあってわかりやすいかと思います。
この場合(シャンク長)は75、100、150mmとなります。
スタビータイプもあると便利
工具というものはいつも作業スペースがあるとは限りません、エンジンルームの奥まった場所、ホースバンドの向きが悪くて狭いなどは日常茶飯事です。
そんな時、普通のドライバーでは長すぎてドライバーをかけることができないことがあります。
そこでスタビードライバーの出番です!
長さに制限のある場所で短いドライバーなら入る!回せる!作業が捗るという訳ですね。
マイナスとプラスどちらも揃えるのがお勧めです!
タフで叩ける貫通タイプが便利!
いきなり結論ですが自動車・バイク整備であれば貫通タイプのドライバーを選びましょう!
ドライバー本来の使い方ではないですが、実際の所マイナスドライバーは抉ったり、隙間を広げるためにハンマーで叩くことが多いです。
具体的な使われ方は後述しますが、非貫通タイプでは仮に叩いたとしても力が逃げて伝わらないですし、何よりドライバーが壊れてしまっては元も子もないですよね・・・
なので自動車整備などでは貫通タイプのドライバーが選ばれているという訳ですね!
自動車整備でのマイナスライバーの使い方
先ほど少し触れましたが、整備においてはマイナスドライバーはネジまわしで使うことよりも、こじる、叩く、ひねるといった使い方をする場合が多いです。
具体的にはマイナスドライバーを使って隙間を広げる、叩いてはつる、こじるなどの使い方をします。
よって叩くなど荒い使い方をするので強度の高い貫通タイプのドライバーがおすすめです!
しかも自動車整備においては、油、水、泥、砂など汚れた場面で使うことが多い。なぜならオイルや冷却水などがついた状態で使わなければならないからです。
この時、マイナスドライバーが普通のグリップだと、油や水で滑ってしまうことがよくあります。
滑ってしまうと力が逃げてしまうばかりか、怪我をする原因を壊してしまう原因にもなります。なのでグリップにも気を使うことで作業が捗ります!
具体的にはベッセルから出ているノンスリップタイプがおすすめ!
これは濡れても油分があっても、滑りづらい特殊な樹脂グリップを使っております。
このノンスリップドライバーにも貫通タイプと非貫通タイプがありますが、先ほど申し上げたように、貫通タイプのものが圧倒的にお勧めです。
私も仕事で使っていますが、このドライバーに書いてから滑ることが少なくなり、作業が捗るようになりました。
一つ上を目指すなら先端形状にも拘ろう
マイナスドライバーと一括りにいっても先端の形状に差があるものがあります。
一般的なマイナスドライバーは刃先がテーパー状で先端の角が立っている形。
このため、作業中不本意に工具がずれてしまったり、こじる時などに対象物を傷つけてしまうことがあります。
先端がPBから出ているマイナスドライバーは先端が平行かつ丸みを帯びているため、こういったことが起こりづらくなっています。
PBは精度が高く強度もあるため、ドライバー業界では有名です。なのでドライバーはPBが良いと言う整備士も多いです。しかし少々高価となっているのがネック・・・
【番外編】割り柄とプライバー
叩く、こじる、はつると言った用途に特化したマイナスドライバーもあります。普通のマイナスドライバーだとそのようなことを想定していないので、破損しやすくなってしまいますが、特化したものであれば壊れることもなく丈夫です。
こういったドライバーは【割り柄】と呼んだり、さらに太く長くて強度の高いこじり専用の工具として【プライバー】というものあります。
このように用途に合った工具を選び、購入することが快適な作業の秘訣です。まとめますとマイナスドライバー(貫通タイプ)の大中小割得ドライバー、そしてプライバーこれがあることで快適な作業ができます。また精密作業として精密ドライバー、必要に応じてスマートキー専用の先端の丸いマイナスドライバーがあると傷つけずに作業はできます。
まとめ
今回はマイナスドライバーについてお伝えしてきました。
マイナスネジとしての使用ではなく隙間を広げ叩くといいったラフな使い方をすることが多いマイナスドライバーですが、安易に選ぶのではなくこだわって選ぶことで作業がはかどりますので、今回の記事を参考にしていただけたら幸いです。