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【絶版2ストローク】HONDA NS-1 リフレッシュ計画 【その4 エンジン腰上の組み上げ】

前回はエンジン腰上を組み上げる前の清掃が大事ということで、合わせ面の清掃方法と道具について記事にしました。

今回はエンジン腰上の組み上げについて書いていきたいと思います。

目次

エンジン腰上の組み上げ

シリンダーヘッドとクランクケースの清掃が終わったら、【組み】に入ります。

ピストン、シリンダー、シリンダーヘッドを組み上げていくのですが、2stだからと言って何も考えずに組んでいいのではありません。もちろん注意点もありますので順を追って書いていきたいと思います。

ピストン取り付け

ピストン単体では機能しません。

ピストンリングを付けサークリップ、ピストンピン、小端ベアリングを使用してコンロッドに装着します。

ピストンリング

まず、ピストンリングを組みます。

4ストと違ってオイルリングはなし。トップリングとセカンドリングは共通部品です。

注意点は3つ

・リングには上下があり、合口付近に刻印があるので刻印を上(ピストンの頭側)にすること

・リングにはオイルを塗り、取り付ける時に拡げ過ぎないように注意すること

・リングを合口を指定の位置にすること

この段階ではそこまで気をつけなくでも大丈夫です。

写真を撮り忘れてしまったので、ピストンリングを付けた状態がこちら↓

コンロッドへの取り付け

次はコンロッドへの取り付けです

ピストン側面の片側の穴にサークリップを取り付けます

※デイトナ製はロングノーズプライヤで『つまむ』用の部分がありますので作業しやすいです

純正はただのCリング上の形状なので、少し難しいです(必要以上に曲げると変形してしまって使用不可になることも・・・)

(余談ですが私は屋外作業でサークリップを弾いて飛んでしまって失くした為、燃料ホースのクリップが形状が似ていたので代用したところ、数百メートル走ったところでエンジンが停止、シリンダー・ピストンが再交換になった失敗談があります。若き頃の過ち、無知って怖いですね)

コンロッドの小端部にベアリングをつけ、ピストンのサークリップをつけていない側からピストンピンを嵌めます。

最後もう一つのサークリップたらコンロッドへの取り付けが完了です。

シリンダー取り付け

次はいよいよシリンダー取り付けです。

こちらもピストン同様に注意点がありますので、説明して行きます

ベースガスケットを入れる

シリンダーの前にベースガスケットを入れ忘れないようにしましょう

注意点は、ガスケットが触れる面が平滑になっていること、そして異物や油分があると密着しないので、清掃と脱脂することです

紙製のガスケットは長期間使用すると金属にへばり付いてしまうので、レースなど頻繁に分解することがわかっている場合にはガスケットにあえてグリスを薄く塗って、次の作業を楽にする裏技があります

シリンダーにピストンを通す

まず、シリンダーのピストン摺動面に2サイクルオイルを塗っておきます

そして、シリンダーにピストンを通すのでですが、ここが難関です!

ピストンには圧縮を保つ為のピストンリングがあるので、このピストンリングが『抵抗』となって取り付けの邪魔をします

コツとしては、ピストンリングの合口をしっかり合わせておきながら、指で縮めるようにしながらシリンダーを落としていく

文章だとわかりづらいですが、シリンダーは重さがあるので押し込まなくても、ピストンリングがピストンの良い位置にくればリングを指で軽く縮めるだけでスッとシリンダーが入ってくれます。

決して、シリンダーを押し込んではいけません!最悪ピストンリングが折れてしまいますので注意!!

シリンダーが入ると、キャブレター側からリングの合口を確認することできるので必ず合っているか確認するようにしましょう!

シリンダーが入ると・・・

この穴からピストンリングの状態を確認することができます!

赤い丸の部分がピストンリング合口の合わせ位置(ノックピンがある)できちんとハマっているかを確認して下さい!

シリンダーヘッド取り付け

そしたら、ヘッドガスケットを入れていよいよシリンダーヘッド取り付けになります。

ここも2ストロークエンジンなので難しいこてゃないのですが、ポイントは2つ

①ピストンとシリンダーの芯だしをする。

②シリンダーヘッドの締め付けは3回に分けて、規定トルクで締める。

①の芯だしと聞くと難しく感じますが、要はシリンダーヘッドを締める前に、『ピストンを上下させて動きやすい位置』にしましょうってことです

ピストンを上下させるとは?これも簡単で、キックスターターを動かば良いのです

シリンダーガスケット、シリンダーを載せ、取り付けナットを指で仮締めしたら、数回キックしてあげればオッケー!

②のシリンダーヘッドの締め付けについては

1回目 5N·m、2回目 12N·m、3回目 20N·mで締めます。ここはきちんとトルクレンチを使って対角に絞めましょう!

対角に締めましょう!
写真は分解前のものですがご了承ください

あとは、冷却水のホースを接続すれば蘇シリンダー、ヘッド周りは完了です。

これで元気なエンジン腰上が組み上がりました!走りに期待がもてますね。

実はマフラー(チャンバー)を取り付けるためのボルト【スタッドボルト】の移設が必要なんですが、ここまで長くなってしまったので別の記事で紹介致します。

次回はキャブレター

キャブレターの掃除が大事といいますが、実は掃除だけでは良くならない原因あったりします。

その原因とは・・・?

次回深掘りして行きますのでお楽しみに!

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この記事を書いた人

国家一級自動車整備士、第二種電気工事士資格の持つ私が趣味のバイクライフ、ガレージライフをお伝えします♪
もちろん整備士目線での車のお役立ち情報、工具好きならではのお役立ちアイテムも発信していきたいと思いますのでどうぞよろしくお願い致します☆
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