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自動車整備士が使う「サーキットテスター」のおすすめ!

「テスター」持ってますか?

ここでの「テスター」とは「サーキットテスター」のことを指します。(サーキットとは回路のこと)

例えば、車のランプが点かない。でも、電球は切れていないようだ。ならヒューズ切れ?でもヒューズは切れていなかった・・・。

はい、『詰み』です。電気は見えないのでテスターがないと原因究明ができません。

他にもETCやドラレコを付けたいけど、どの線にACC(アクセサリー)電源が来ているかわからない。などテスターがないと電装品の取付も大変です。

ここでは自動車整備士が必ず持っているサーキットテスターについてご紹介!
趣味で車・バイクいじりをする方も『サーキットテスター』があれば自分でできる範囲が広がりますよ!

国産自動車ディーラーにて15年以上の整備士経験と見解でお伝えいたします!自動車の故障診断も数多くこなしており、サーキットテスターはもはや相棒レベル!

目次

サーキットテスターの必要性

電気は目に見えない

冒頭の文にもありましたが電気は目に見えません。見えないものに人は苦手意識を持ちます。(整備士でも電気回路は苦手なは多いです)

ストップランプが点かないのでとりあえずバルブ交換、でも点かない。となるともう判断材料がないので困ってしまうという訳ですね。

電気は危険なことも

電気は危険なこともあります。自動車用バッテリー程度の電圧(12V)でもショートすると、熱を持ったり金属を溶かしたり最悪火災にもつながる危険性があります。バッテリーを何個か繋げてわざとショートさせることでアーク溶接もできるほどのパワーがあります(危険なので真似しないように・・・)

検電テスターは代わりにはならない

『検電テスター』

電気が来ているかという単純な判断をするとき、『検電テスター』を使うという選択肢もあります。しかし、検電テスターは電気が来ているか否かという判断しかできないのです。なぜならランプとブザーの点灯・音で判断するためです。(ランプのみのタイプもあります)

例えば本来12vが必要な場合に調べた配線が実は5v電源だった時。ランプが点くのでOKと判断してつけたところ、電装品が正常な作動をしなっかということが起きてしまうのです。

検電テスターは自分で分かった上で、電気が来ているか否かという判断で使うものというわけですね。(でもやはり曖昧なので仕事で使うのはおすすめしません)

整備士がサーキットテスターを使う時

電装品の取り付け

パワーソケット(シガーソケット)は誰でも簡単に追加の電装品を使える便利な電源です。

でも、基本2つ以上同時には使えないですし、ずっと付けっぱなしにするのであれば、せっかくの電源を塞いでしまうのはもったいないと思いませんか?(パワーソケットを増やす商品もありますが、同じ回路に負荷が増えるのでおすすめしません。見た目もゴチャつきますし)

なので、パワーソケット以外から電源を取るということが必要になります。例えばETCやドライブレコーダーを取り付ける場合。イグニッション又はアクセサリー電源が必要となります。

この時整備書・配線図などがあれば、どこのコネクタのどの配線にどんな電気がきているかということが調べることができます。しかし、意外に読み間違えや配線の色が違っていて失敗してしまうことは少なくありません。

なので、思った通りの電気が来ているかという確認の為にも、サーキットテスターを使うことは多くあります。

故障診断(原因究明)

車は進化しても故障はつきもの。診断機(コンピューター診断)で大まかに故障系統はわかりますが、実際にどの部品が壊れているというところまでは判断できません。なので特定する為にどこまで正常な状態かということをサーキットテスターで判断するのです。

電源電圧はきているのか?線は切れていないかもしくはショートしていないか?アースは取れているか?電圧値は正常か?など配線図や整備書を見ながら判断していくということになります。

ベテラン整備士ほど工具より診断機やサーキットテスターを触っている時間が長いという場合もある程。(日々よりますが私がそうです)

サーキットテスターの種類

一言にサーキットテスターといっても大きく分けて2種類あります。アナログとデジタル。わかりやすく簡潔に説明します!

アナログサーキットテスター

昔からあるのが『アナログサーキットテスター』。電圧・電流・抵抗値を『針の動き』で表示します。

針が動くので『あり、なし』の判断が簡単!しかし、レンジ選択といって正しい数値が読めるように針の位置を合わせるのには知識が必要です。合わせても目盛りに数字が複数あるのでが読みづらいですが・・・。

年配の方はアナログを好む傾向あり。しかし、現在の車では内部抵抗値と呼ばれるテスター自体の問題で、正しい測定ができないがことがあります。(誤差が大きく出てしまうので判断ミスにつながる)なので、使うことも見かけることも減りました。

デジタルサーキットテスター(デジタルマルチメーター)

現在主流のサーキットテスター。電圧・電流・抵抗値を『デジタル』表示。数値でハッキリ出るので読みやすいのが大きなメリットです!

デジタル表示で読み取りやすい!

アナログサーキットテスターで問題となる内部抵抗値の問題もほぼないので安心して測定ができます。レンジ調整もオート機能があるものが多いので慣れない人にも使いやすくなっています。バックライト付きモデルは暗いところでも数値が読めるのであると便利!

安いものから高いものまであり機能が多いほど高くなる傾向があります。精度にも影響があるので安価なものは控えるのが無難です。
デジタルマルチメーターと表記されている商品が多いですがデジタルサーキットテスターと同じと考えて問題はないです。

おすすめのデジタルサーキットテスター

デジタルサーキットテスターが良いのはわかったけど、何を買えばいいの?って思いますよね?ここでは私が選ぶテスターを用途・経験で3つ紹介致します!

私は専門学生時代から『kaise』ユーザー。よってテスターはkaise製でおすすめします!kaiseのデジタルサーキットテスターはデジタルマルチメーターという表記になります。

初心者・DIY向け:kaise KU-1120 デジタルマルチメーター

KU-1120デジタルマルチメーター
自動車整備や電気工事など、基本的な測定作業に適しています。
測定種類・レンジの選択はダイヤルを回すシンプルな操作性で、初心者にも扱いやすいモデル。

液晶の文字高16mmと大きく見やすいのがメリット!しかもバックライト付き!テストリードピンも金メッキ仕様でサビに強い。

注意点はオートレンジがないのでレンジ選択は必要なところ。でも、ダイヤルを回せばいいので大きな問題ではないです。

中級者・仕事向け:kaise KU-2600 デジタルマルチメーター

10000円以下ならコレ。私の整備専門学校で指定だった息の長いテスターです。(20年前からある???)現在、実売価格は8000円台(定価は税込12100円)

KU-1120 に加えて、交流電流、周波数、静電容量、デューティー比の測定が可能。より幅広い用途に対応できる、多機能モデルです。

KU-1120にはなかったオートレンジ機能があり電圧・電流・抵抗などモードを選べば自動で単位が最適になるので、KU-1120より扱い易いですね!

残念ポイントはバックライトがないのと液晶文字高が12mmと至って普通サイズの2点。KU-1120に劣るのではなくてロングセラー商品が故に設計がやや古いかと。

バックライトはありません。

仕事でこれを使っていれば困ることはないです!1度買い替えて2台使ったほど!

上級者・プロ向け:KU-2605 デジタルマルチメーター

引用:https://www.kaise.com/j_car_ku2605.html

私が現在使っているKU-2603が廃盤となって後継機となったテスターです。(外観がスタイリッシュになって羨ましい・・・)

KU-2600 の機能に加えて、温度測定、NCV(非接触電圧検出)、真の実効値測定が可能。プロフェッショナル向けの、高機能モデル。大型ディスプレイ採用で文字高19mm!バックライト付き!KU-2600より視認性が良いです!

色々な測定機能が追加されていますが、マニアックな機能なので正直使うことはほぼありません。しかし、高価なテスターは処理の回数・速度が優れているのでより高精度になっています!

私はKU-2600が故障したので、機能は同等以上かつ視認性が高いモデルが欲しくなり購入しました!故障診断でテスターを使うことが多いので自己投資も兼ねました!(KU-2603を2022年に約2万円で購入)

私が現在使っている先代モデルのKU-2603

比較表

項目KU−1120KU-2600KU-2605
主な機能交流/直流電圧、抵抗、導通チェック、ダイオードテスト交流/直流電圧、交流/直流電流、抵抗、導通チェック、ダイオードテスト、静電容量、デューティー比、偏差測定交流/直流電圧、交流/直流電流、抵抗、導通チェック、ダイオードテスト、静電容量、デューティー比、温度、NCV(非接触電圧検出)、真の実効値測定、偏差測定
特徴基本的な機能を搭載した普及モデル多機能でコストパフォーマンスに優れたモデル高機能でプロフェッショナル向けのモデル
用途自動車整備、電気工事、電子工作など自動車整備、電気工事、電子機器の修理など自動車整備、電気工事、産業用機器のメンテナンスなど
その他バックライトAUTOレンジバックライト・AUTOレンジ
価格定価 6655 円(税込)定価 12100 円(税込)定価 19360 円(税込)

テスターを買ったらテストリードにも拘ろう!

良いテスターがあってもそれだけでは対応しきれません。測定箇所に合った先の細いピン、アースを取るためのクリップ、離れたコネクタ間を測定するためのテストリードの長こういった部分にも気を配らないとなかなか測定が出来なくてイライラしたり、正しく測定できたと勘違いしてしまうことに繋がります。

テストリードキット:100−41

先の細いテスターピン、くわえ易いクリップ、長いテストリードがセットになったものです。テスターピンも細いだけでなく種類もあるので場所に合ったものが選べます!先端はネジ式で付け替えることができます。

柄を差し替えることでワニ口クリップを使えます。ワニ口は顎が広く開くので使いやすい!

テスリードは1600mmあるので長い距離も測定可能!(2本を左右に広げれば3000mm位までいけます!)もちろん私も使っていて、仕事で重宝しています!

長いテストリード(上側)
下側は標準

難点は価格が高いところ。定価は税込12210円とKU-2600と同じ位します・・・。これも自己投資です、頑張ればきっとそれ以上になって返ってくるハズ。

まとめ

自動車整備士が使う「サーキットテスター」のおすすめ!

  • サーキットテスターの必要性
    • 電気は目に見えない
    • 電気は危険なことも
    • 検電テスターは代わりにはならない
  • 整備士がサーキットテスターを使う時
    • 電装品の取り付け
    • 故障診断(原因究明)
  • サーキットテスターの種類
    • アナログサーキットテスター
    • デジタルサーキットテスター(デジタルマルチモニター)
  • おすすめのデジタルサーキットテスター3選!
    • 初心者・DIY向け:kaise KU-1120 デジタルマルチモニター
    • 中級者・仕事向け:kaise KU-2600 デジタルマルチモニター
    • 上級者・プロ向け:kaise KU−2605 デジタルマルチモニター
  • テスターを買ったらテストリードにも拘ろう
    • テストリードキット:100−41

テスターがあって使えるようになれば電気の苦手意識は減ります。何よりできることが増えるのが良いですよね!

趣味でも1つあればきっと役立ちますのでこの際に検討してみてはいかがでしょうか?KU−1120でも十分な性能です!

この記事が皆様のお役に立てれば嬉しいです!

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この記事を書いた人

国家一級自動車整備士、第二種電気工事士資格の持つ私が趣味のバイクライフ、ガレージライフをお伝えします♪
もちろん整備士目線での車のお役立ち情報、工具好きならではのお役立ちアイテムも発信していきたいと思いますのでどうぞよろしくお願い致します☆
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