今や貴重な2ストロークエンジンのバイク
前回はNS-1の紹介と現状把握でしたが
今回は各部を分解して実際にどんな状況かを見ていきたいと思います
バイク整備は自己流になりますが、自動車整備士歴15年以上の経験と見解を駆使して送り致します
エンジン(腰上)の状態チェック
まずは人で言う心臓のエンジン!
腰上、腰下という表現がありますが、バイク用語と理解してもらったほうがいいと思います
腰上とは、シリンダーを含めた上側
シリンダーヘッド、シリンダー、ピストンなどバイクのエンジンにおける上側の部分にあたります
腰下とはその下側、クランクシャフト、コンロッドなどのエンジン部品。クラッチ、ミッションなどの駆動系部品を含めた部分を表します
バイクは基本的にエンジンとミッションが一体になっていますのでクランクケース側=腰下と覚えましょう!
自動車のエンジンでは腰上、腰下とは呼ばないのでやはりバイク用語ですね
(自動車ではヘッド側、ブロック側という言い方をしますが、ブロック側にシリンダーやピストンがあるのでバイクとは異なる表現になりますね)
腰上分解
ざっくり手順を書くと
- メットイン部(ダミータンク)を外す
- エアークリーナーBOXを外す
- キャブレターを外す
- 冷却水を抜く
- チャンバーを外す
- シリンダーヘッドを外す
- シリンダーを外す
- ピストンを外す
といったところです
4サイクルエンジンと比べて2サイクル(2ストローク)エンジンのシリンダーヘッドは『ただのフタ』なので作業は簡単です!
手順が少々飛びますがメットイン部を外したところがしたこちら↓(エアクリーナーBOXの上蓋も外れてますが)
スッカスカ
50ccなのでこんなものです
特にNS-1はNSR50に比べて車体が大きいので【ゆとり】がありますね
整備性がいいので初心者にもチャレンジし易いと思います
ここからはエアクリーナーとキャブレターを外して
チャンバー(マフラー)を外します
そして、赤いプラグキャップが刺さっている部分がシリンダーヘッドなので、外すために邪魔なものを外しましょう!
プラグゴード、スパークプラグ、ラジエターから来ているホース、水温センサーのコネクター外したら
いよいよシリンダーヘッドを止めているナットを緩めます
4つのナットを外したらシリンダーヘッドが取れます
4サイクルエンジンだと最低でもチェーンを外す作業がありますが、2ストはないので簡単ですね
なんなら、上死点すら出す必要なし!サクッといきましょう!
大体シリンダーヘッドガスケットがひっついているのでこれを外すとシリンダー上面があらわになります
さてお次はシリンダー
シリンダーから腰下につながっているウォーターホースを外したらいよいよシリンダー外しです
コツは力任せに取るのではなく、プラスティックハンマーやゴムハンマーで軽くコンコン叩きながら固着を剥がすことです
そうすると、シリンダーが外れてご対面!
ピストンとこんにちは!
おや?ピストンスカートにキズが?
2ストなんてそんなもんだよね?と思ったんですが、いやこのキズ深くね??
ピストンの縦キズは撫でると隣の縦キズと段々になってます
まぁ、ピストンは交換予定だしまぁいっかとシリンダー側をみてみると・・・
お?
おお??
ダメやん・・・・
シリンダーも交換決定・・・!
ピストンキットは先に手配していたので、シリンダーも追加注文することになりましたとさ・・・
ちなみにピストンを外すには下の写真の側面の穴にピストンピンが抜けないようにサークリップがついていますので、このサークリップをつまんで外すとピストンピンが押し出せるようになります
写真のサークリップはデイトナ製で『つまむ』部分があり作業性が良いですが、純正品はCリングのような形状なので、結構つけ外しが大変だったりします・・・
ピストン、ピストンピン、コンロッド小端側ベアリングが外れれば腰上分解完了となります
今後は?
エンジンにおいてシリンダーがダメだったのは誤算でしたので、部品が来るまで一旦待機になります
その間に、タイヤ・ホイール、フロントフォークの分解進めたいと思います
HONDA 50cc NS系エンジンは共通の部分が多くあるのでこの記事が参考になる部分もあるかと思いますのでどうぞお楽しみに♪