工具ってどのメーカーがいいの?安い工具でも問題ない?
工具を買う時に誰もが必ず考えることだと思います。
整備士の商売道具といえば工具と整備知識
どんなに整備知識があっても工具がなければ何もできません、逆も然り・・・
そんな工具にまつわる話、今回は工具メーカーの選び方、安い工具・高い工具の違いを紹介いたします!
国産自動車ディーラーにて整備士経験15年以上の経験と見解でお送り致します!
仕事用かプライベート用かでメーカー選びも変わる
私は仕事用とプライベート用は分けています。
なぜなら目的が違うからです!(使う度に職場から持ち帰るのも面倒という理由もありますが・・・)
なんとなくで工具を買って後悔しないた為に、読んで参考にしていただければと思います。
仕事用なら信頼性が大事!
仕事用は信頼性が一番大事です!(大事なことなので2回目)
信頼性とは精度と耐久性(強度)を指します。
なぜならネジ頭をナメてしまったり、工具が壊れてしまっては仕事にならないからです!
仕事だと無理をしてでも目の前のボルトを緩めなけらばならないので工具に負担がかかることがあります。(これは真実)
そんな時に安くてヤワな工具だと、工具が負けて曲がったり欠けたりしてしまうことがあります。
何より最悪なのは工具の精度が悪くてネジ頭をナメてしまうことで、緩めることがより困難になってしまうことです。
リカバリーに途方もない時間を強いられることも・・・
なので精度と耐久性(強度)、すなわち信頼性が大事という訳ですね!
高い工具メーカーは信頼性があり、この条件を満たしているということですね!
永久保証付きのメーカー製であれば、万が一工具が壊れてしまった場合(使用方法・破損状態によりますが)修理交換対応してもらえますのでより安心!
私の場合(仕事用)
仕事では保証のあるMAC TOOLS、Snap-on。そして保証はないですがKTCがメインとなります!
MAC TOOLSとSnap-onは高いですがやはりものが良いことと、もしもの時に修理・交換対応してくれるのが助かりますね。
KTCは専門学校時代から使用しています。中でもメガネレンチは一番使いやすいと思っており、15年経った今でも一軍工具に君臨しています!
でも使用頻度の低い工具はアストロプロダクツ、ストレート製品も使っています。
プライベート用はお好みで!但し条件あり
プライベート用は趣味なので好みで選んで良し、おしまい。
で・は・参考にならないので、補足すると
アストロプロダクツ・ストレート以上をおすすめします!
理由は品質面での最低ラインだからです!
10年くらい前はこれらのメーカーもイマイチな製品が多かったのですが、近年はかなり精度など良くなってきました!
もちろん、高級メーカーのものと比べると『ガタつき』『しなり』など見た目以外にも劣ることは否めませんのでご承知おき下さい。
今は名の知れない格安工具も出回っていますので、あまりに安いものは手を出さないのが無難です。
もう一つ補足すると、ラチェットなどの精密なものはやはり良いものを選ぶのが良いですね。
空転トルク、切り替えがしっかり変わるかなど細かいところは安いものはいまだにチープな部分あり。
もちろん予算が許す方は、高級メーカーで揃えてくださいませ!
私の場合(プライベート用)
nepros、KTC。コスパで選ぶアストロプロダクツ、ストレート製も多いです。
個人的にneprosは大事に使いたい・・・高いですし。
ですが高い分、仕上げの美しさ、使用感など満足する部分も多いので悦に浸れます!
家ではそもそも使う頻度が少ないのでコスパ優先商品でも長持ちします♪(結構真理かも)
工具メーカー格付け(注:完全独自)
私主観の超独断格付け!
自動車・バイク整備目線で、欧州メーカーは所有しているものが少ないので省きます(ハゼット、スタビレーなど)
今回は総合工具メーカーが対象とします。
Sランク:プロユース、高級志向
Snap-on、MAC TOOLS、nepros
といったところ
必要十分な精度・強度はもちろんのこと
メッキも強いだけでなく美しさもあり所有感を満たしてくれます。特に仕上げの美しさではneprosは世界一と言われるほどです。(neprosはKTCの上位ブランド)
整備現場で一番人気なのはSnap-onですね!整備士じゃなくても知っている人も多いと思います。
Snap-on、MAC TOOLSはバンセールで購入すれば永久保証もあるのでプロには心強い!
しかし、高級メーカーは価格も高級ですので非常にお求めづらい・・・
なんとソケットセットが2〜3万円します!
スタンダードソケットだけでです。セミディープ、ディープソケットも足すと約10万円!
ソケットだけあっても使えないので、追加でラチェットレンチにエクステンションバーセットも購入すればすぐに15万円超え!!
工具って高いんですよ・・・
繰り返しになりますが、信頼性と所有欲は満たしてくれますので間違いのない逸品が欲しい方はどうぞ!
工具沼の入り口です。
Aランク:プロ・diyユース、一般向け
KTC、TONE、Ko-ken、DEEN
などですね
使用に必要十分な精度と強度!
自動車整備士学校で購入する(買わされる)工具もこの辺りのメーカーです。
仕上げは意外と飾り気がないので、無骨な商品も多いです。
高級志向でない整備士はここで固めます。なぜならも全く問題ないから。
上記のSランクメーカーはオーバースペックなんです。
でもAランクでも価格は安くはないんです。見方によっては十分高級メーカーとも言えますね。
ちなみにKo-kenはソケット特化メーカーですがあえて入れました。
F1の日本グランプリで海外チームのメカニックがKo-kenを買い漁ったという逸話まであるほどソケットには定評があります。
Ko-kenにも上位ブランドがありこれをZ-EALと言います。
これは近年の自動車整備環境を考え、よりコンパクト化、精度を独自に追い込んだ嵌合など自動車整備特化型になります。
興味ある方は一度手に取って見てはいかがでしょうか?A +ランク工具と言ってもいいかも。
DEENはファクトリーギアのオリジナル工具ブランドです。
見た目はSnap-onに近いが価格はお求めやすい。
後発工具ブランドとして外観・機能・価格の『いいとこどり』していますので結構おすすめです。
ファクトリーギアで実物を見て触れますのでお試しあれ!
Bランク:DIYユース、エントリー
アストロプロダクツ、ストレート、 SK11
amazonとかでここにもない格安ブランドがたくさんありますが正直おすすめできませんので気をつけてください。
(なんと言って値段が魅力的過ぎてポチりそうになりますよね・・・)
一昔前正直に言ってしまえば、安かろう悪かろうの部類に入っていて、とりあえず安く済ませるならという選択肢でした。
しかし、近年は精度が良くなってきて(特にソケットレンチ類)実用に耐えるようになってきたのでDIYユースでは十分だとい思います。(ディーラーでも使っている人が増えてきました!)
私の場合は使用頻度が低いけどとりあえず持っておきたい工具として買うことが多いですね!
SK11は職場の人が使っていて、貸してもらった上で割と使える印象なのでランクインしました!
ホームセンターでも買えるので入手性は良いと思います。
Cランク:おすすめしません
謎ブランド工具、謎のホムセン工具、100均工具、古い車・バイクにある車載工具
捨てましょう!
Bランク以上の工具に買い替えるだけでも、使いやすくなり整備トラブルも減ります!
購入方法
買うメーカーが決まったらどこで買ったらいいの?ってなりますよね。
方法は大きく3つあり実店舗、ネットショッピング、そしてバンセールがあります。
実店舗
実店舗はこの記事ではファクトリーギア、アストロプロダクツ、ストレートなどの工具店。または工具も扱っているホームセンターなどを指します。
実店舗のメリットは何よりものを見て触ってから購入できることですね!
サイズ、重さそして質感。
高いものであればあるほど、確認してから買いたいですよね?
ラチェットレンチにこだわる人であれば、空転トルク、カリカリ音も確認したいところ。
ネットショッピングが身近な世の中でも実店舗の需要があるのはこういうところが大きいと私は思います。
私は工具環境には恵まれていて家から車で30分圏内にアストロプロダクツとストレートがあるので、工具調達に助かってます。
さらに足をのばせばファクトリーギアもあるのでMACTOOLS以外は見に行くことができます。
(MACTOOLSは基本バンセールなので職場(整備工場)以外の入手は難しいのです・・・)
ちなみにアストロは常に週替わりセールをしているのでアストロオリジナル商品は必ずローテーションがきます!なのでセール期間外で買うのは勿体ないです(セールなら大体20%OFF!)
私のガレージはまだまだ理想のガレージには程遠く、工具、設備が足らないのでアストロのチラシを見ながら少しずつ充実させるのを考えるのが楽しみの一つになってます(^^)
ネットショッピング
今はネットでポチれば翌日ものが届く便利な時代です。
ネットショッピングのメリットは買いに行く手間がないことと、安く買えることですね!
買いに行く手間がないのは楽ですが、買ってからなんか違ったとならないようには気をつけましょう!
やはり高いものは直接見て納得して買うのがおすすめです。
バンセール
バンセールとはSnap-on、MACTOOLSなどの専門業者が工具を積んだ車で販売することです。
あまり一般的ではありませんが自動車ディーラー、修理工場ではメジャーだったりします。
メリットは実店舗同じく工具を見て触れること。そして、バンセールのオーナーから直接コアな話を聞きながら買うことができ。物によりますが永久保証がつくといったところです。
実際、ギヤが欠けたラチェットやヒビが入ったソケットを修理・交換してもらったことがあります。
工具をハードユースする整備士にありがたい!
デメリットは高いことと、バンセールの頻度が低い。
高いのは超一流メーカー品なので仕方ない部分ではあります。
(ブランド料と保証料も上乗せされている感じですかね・・・)
でも、値引き交渉はできます。工具をいくつか買えば、割引いてくれることあり!人によるかもしれませんが・・・
まとめ
いかがでしたでしょうか。
工具メーカーの選び方、高い工具と安い工具の違い、そして購入方法でした。
まとめると
・仕事用かプライベート用かでメーカー選びも変わる。
・仕事用なら信頼性重視で選ぶ。
・プライベート用でも格安品は避けよう。
・工具メーカー格付け。仕事用ならAランク以上。プライベート用でもBランク以上を選ぼう。
・購入方法は3つ。実店舗、ネットショッピング、バンセール。
・安さならネットショッピング。実際に見て触って確認したなら実店舗に行こう。
となります。
何度も言いますが工具は決して安い買い物ではないので後悔しないようにしっかり考えて買いましょう!
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。