工具と聞いて連想するものはどんな工具でしょうか?
世間ではスパナレンチ(以下スパナ)、モンキーレンチが多いように思います
実際、車などでメンテンナス時期を表すものにはスパナのマークが使われていることが多いです
しかし、実務で使うことが多いのはラチェットレンチとメガネレンチ、プラスドライバーの方が遥かに多いです
スパナはスパナでしか使えない場所且つ、早回し用といったところで実は出番は少ないのです
使う頻度が多い工具の内、一番剛性が高くしっくりくるのがメガネレンチ
私がエンジンオイル交換でドレンボルトを緩める時も、ブレーキパッド交換の時も、最初に手にするのは必ずメガネレンチ
そんなメガネレンチについて自動車整備経験15年以上の経験と見解でご紹介したいと思います!
ボルト・ナットをなめにくい
メガネレンチはボルト、ナットをなめにくいです
なぜならスパナと違ってボルト・ナットへの接触面が多く、ボルトを傷めにくいのです
スパナは2面、メガネレンチは6面で力を掛けるため、力がムリなく伝えられるのです
剛性が高く、力加減がわかりやすい
メガネレンチは一本物
よってラチェットレンチ、スピンナを使うなどのソケットトレンチと違って接続部・可動部がないため力が逃げずにダイレクトに力が伝わります
確かに首振りタイプのラチェットなどは便利なんですが、力を掛ける場面では、ガタ、ヨレ、たわみといったものが多くダイレクト感に欠けます
固くしまった部分を緩める時、トルクレンチが使えない場面などはこのダイレクト感が大事であり、力加減にかかわるので、私はメガネレンチを好んで使用します
リーチ(長さ)があり力を掛けやすい
両口メガネレンチはある程度の長さがあります
片方がスパナ、もう片方がメガネのコンビネーションレンチと比べて両口メガネレンチの方が基本的に長い
長いことによって、テコの原理で少ない力でボルトを回すことができます
より長い、ロングストレートメガネレンチといった商品もあります
奥まったところには使えない、早回しできない
メリットが多いように思うメガネレンチですが
ホイールナットなどの引っ込んだ部分あるボルト・ナットには工具の形状上使うことは出来ません
また、連続して回すのも一回一回工具を掛けては外すといった動作がある為、早回しにも不向き
一発目の緩め、最後の締めに
冒頭に書いたエンジンオイルパンのドレンボルトを緩める時に使うのですが
工具をボルトにかけて左手で抑え、右手で叩くように瞬間的に力を加え、緩める(ボルトのトルクを抜く)
緩んだら、指で素早く回転させるように回し、勢いでオイル受けに落とすように外しきる
ドレーンワッシャを新品に交換し、ワッシャが適正につぶれていくのを感じながら締めていく
規定トルクに達する直前くらいまでメガネレンチで締める(トルクを意識)
確認の意味を込めてトルクレンチで規定トルクで締める(少し締まったところでカチッとなるのがベスト!)
または
サスペンション周りの固くしまったボルトでインパクトレンチが入らない部分など
メガネレンチでグッと力強く緩める、締める
こんな感じで使うことが多いです
オフセットは45°×6°がおすすめ
オフセットといってメガネ部分と柄の部分がどのくらいの角度になっているかという種類があります
0°(ストレート、15°、45°、45°×6°、75°といった角度があり
上から0°、45°、45°×6°、75°のオフセット(逃げ角度)になります!
メインで使うセットで買うなら、私は45°×6°をおすすめします
ダイレクト感1番は0°のストレートメガネレンチなんですが、正直使える場前が限られます
75°のディープオフセットメガネレンチは深い逃げがありソケットレンチじゃなくても工具が入り、熟練者に人気
45°は一般的なんですが、個人的に力の逃げ(工具がボルトから外れようとするモーメント)を感じる為
KTCの45°×6°ロングめがねレンチが私的にオフセットがある中でしっくりきて一番使いやすいメガネレンチだと思います
最初に45°×6°を買い、その他の角度は必要に応じて買い足していくのが経験的におすすめですね
まとめ
今回はメガネレンチの特徴についてお伝えしました
・ボルト・ナットをなめにくい
・剛性が高く、力加減がわかりやすい
・リーチ(長さ)があり力を掛けやすい
・奥まったところには使えない、早回しできない
・一発目の緩め、最後の締めに
・オフセットの種類がある(おすすめは45°×6°)
でした
両口メガネレンチはとてもスタンダートな工具ですが、可動部がなく1回買えばほぼ一生物の工具になると思います
せっかく買うのであれば使いやすく良い工具を選びましょう!